適応障害とうつ病の違いは?病院の選び方から受診方法を解説

休職

近年、心の病で仕事を休職する人は珍しくありません。

その中でも原因となることの多い、適応障害とうつ病について紹介します。

自分は大丈夫と思っていても、症状が当てはまったら、重症化する前に一度病院に行ってみると安心でしょう。

何科に行くのがいいのか、病院に行く前の準備は何をすればいいか、順を追って説明します。

適応障害とは

適応障害とは、環境の変化に適応できずストレス状態が続くことで、心身に不調が生じてしまう状態です。

入学や就職、転職、結婚といった生活環境の変化をきっかけに発症することがあります。

新しい環境での人間関係の問題や、忙しさによる疲労や睡眠不足が原因となるケースがあります。

ストレスを感じる状況がはっきりしているため、休みの日は元気に活動できたり、配置転換や休職をするなど、原因となる環境から離れると比較的すぐに症状が改善されることが多いのが特徴です。

《身体的症状》
・不眠
・めまい
・動悸
・倦怠感
・食欲不振
・頭痛
・肩こり
・耳鳴り
・神経過敏 など

《心的症状》
・抑うつ
・不安
・イライラ
・集中力低下
・涙もろくなる
・緊張
・無気力 など

《行動
・飲酒
・過食
・遅刻 / 欠勤
・ミスの増加
・喧嘩 など

うつ病とは

うつ病と適応障害は、症状が似ています。

そのため完全に区別することは難しく、適応障害とうつ病の中間状態になることもあります。

適応障害は、ストレスの原因から離れることで回復します。しかしうつ病の場合、一日中気分が落ち込んだ状態が続き、ストレスの原因から離れてもすぐには症状が回復しない点が異なります。

一日中気分が落ち込む」もしくは「何をしても楽しめない」という症状があることに加えて、下記の症状が当てはまる場合、うつ病の可能性があります。

《身体的症状》
・食欲不振
・めまい、吐き気
・胃の不快感
・倦怠感
・不眠
・動悸
・頭痛
・微熱
・耳鳴り など

《心的症状
・抑うつ
・イライラ
・気分の落ち込み
・興味関心の喪失
・何をしても楽しめない
・集中力の低下
・自殺を考える

《行動
・過度な飲酒
・表情が暗い
・反応が鈍い
・涙もろい
・身だしなみに気を配らない

厚生労働省のホームページにも、わかりやすい説明があるので参照してください。

受診する病院の選び方、準備

心の病を扱う診療科は、主に精神科や心療内科です。

○○精神科、○○心療内科、○○メンタルクリニックといった名前の病院が該当することが多いです。

精神科は不安やイライラ、幻覚や幻聴といった「心の不調」の診察が得意な病院が多く、心療内科は不眠や頭痛といった心の不調からくる「体の不調」の診察が得意な病院が多いです。

なので、ストレスによって体調を崩して休職している人は、心療内科に通院していることが多いかもしれません。

どちらにかかるか判断が難しい場合、行きやすい方を受診してみましょう。

精神科や心療内科に暗いイメージがある人もいるかもしれませんが、若い女性やスーツ姿の会社員など、パッと見では心の病気とわからないような患者も多くいます

ストレス社会の現代、心身の不調で病院を受診することは、全く恥ずかしいことではありません。

それでも心理的なハードルが高い場合、まずは内科にやかかりつけの病院に相談することから始めてもいいでしょう。

病院の選び方

近所にある行きやすい病院に行ってみるほか、「○○市 適応障害 病院」のように、ネットで医師の得意分野などを絞り込んで探すのもいい方法です。病院選びサイトに書いてある口コミも参考になります

基本的に、心の不調は何度も通院して治療するため、自分に合った病院を見つけることが重要です。

何度か通ってみて合わないと思った場合は、セカンドオピニオンを受けてみるのもいいかもしれません。

受診までの流れ

病院によって違いますが、初診は予約制の場合が多いです。電話やネットなど、指定された方法で初診の予約を取りましょう。

診察までに準備しておくことを指示されるケースもあるので、メモを用意しておくと安心です。

精神科・心療内科は他の科と比べて一人あたりの診療時間が長く、診察に30分~1時間程度かかることもあります。

混雑状況によっては診察時刻が遅れる可能性もあるので、時間に余裕をもって予約を取りましょう

症状を正確に伝えられるように、受診までに状況を整理してまとめておくとスムーズです。

受診時

他の病院と同じように現金と保険証、必要があればおくすり手帳を持って受診します。

初診時はカルテを書くことが多いので、予約の10~5分前に到着できると安心です。

当日は緊張せずに、ありのままの状態を説明しましょう

診察では医師からの質問に正直に答えることが基本ですが、「他にこんな症状があって困っている」「診断書を書いてほしい」といったように、伝えたいことがあれば忘れずに伝えるようにしましょう。

次回の診察は1週間後、2週間後と期間が開くことも多いので、症状や聞いておきたいことは、紙に書いて持ち込むようにすると安心です。

まとめ

適応障害は、ストレスの原因から離れることで症状が改善しますが、うつ病は気分の落ち込みが一日中続くほか、趣味や気分転換など、何をしても楽しめない状態が続きます。

適応障害とうつ病は症状が似ているため、医師でも判断が難しいケースがあります。

最初に適応障害と診断されても、症状が悪化してうつ病と診断されてしまうこともあります。

自己判断をせずに、一度病院に相談することをおすすめします。

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